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クリエイティビティ(創造力)は
遊びで伸ばそう!

​クリエイティビティってどんな力?

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これからの時代を生きていく子どもに身につけてほしい力、非認知能力(参照『非認知能力について』)のうちのほとつでもある「クリエイティビティ」。またの名を「創造力」といいますが、近年、このクリエイティビティが乳幼児教育の現場で注目を集めています。

これからの時代は、正解のない新しい時代。社会においては、周囲に指示されるのを待つのではなく、自分からすすんで考えることが求められる時代です。

​自分で考える力…それには大きく分けて3つあります。

自分で考える力とは…

​●知的に考える力

分析や生後の判断のような「頭」で考える力

●創造的に考える力

感性や想像力のような「魂」で考える力

●人のために考える力

共感や思いやりのような「心」で考える力

(※出典1)

以上のうち、クリエイティビティはどれでしょう?

正解は2つ目の、魂で創造的に考える力、です。

クリエイティブな力と聞くと、ものを作ったり絵を描いたりといった芸術的な作業で発揮される力を思い浮かべる方も少なくないと思いますが、実はそれだけではありません。何か問題が起こった時に、新しいアイデアや創造的な解決策を考えて解決に向かっていく力でもあるのです。これらの創造的な力はAIに真似できない人間特有のもの。今後ますます求められていくでしょう。

そして、このクリエイティビティはすぐに習得できるものではなく、乳幼児期から普段の遊びの中で身につけていくものといわれています。

クリエイティビティが役立つ場面

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レジリエンスを身につける

「レジリエンス」は、新型コロナウイルスの流行以降よく聞かれるようになった言葉。

レジリエンスとは、ストレスや挫折、逆境、課題などの困難に直面した際、それらをしなやかに乗り越え、回復する力のことです。回復力が身についていれば、たとえ挫折をしても致命傷にはならず、強靭に何度でも立ち上がることができます。このVUCAの現代社会(目まぐるしく変化を繰り返し、不安定で複雑かつ物事の良し悪しの曖昧な社会)を生き抜く上で、是非身につけておきたい力ともいえますね。

先にも述べましたが、クリエイティビティな思考によって、これまでは解決が難しかった問題に対して革新的な解決策を見出すことができるようになります。そうすると、困難を乗り越えて回復し、立ち上がることができるのです。

このことから、レジリエンスを身につけるためには、クリエイティビティが必要不可欠といえるでしょう。

STEAM(スティーム)の『A』を担う

のどか保育園で取り入れているSTEAM(スティーム)教育。STEAMとは、S=科学(Science)、T=技術(Technology)、E=工学(Engineering)、A=芸術・リベラルアーツ(Art)、M=数学(Mathmatics)の略で、現在世界中で注目されている教育方針です。日本でも文部科学省が推進し、取り組んでいます。

以前は理系分野であるSTEM教育が進められていました。これはロボットやITを使い、子ども達が主体性を持って自分で学ぶことのできる力を養うもの。プログラミング学習等を通して、子ども達が自分で考え、推論し、選び取る中で論理的思考や物事を見通す力を養うのが目的の教育法です。

しかし、現在では理系分野を鍛えるだけでは不十分とされ、そこで注目されるようになったのが『A(アート)』=芸術・リベラルアーツです。クリエイティビティは、この「アート」に深く関わっています。

◆リベラルアーツって何?

さて、皆さんは「リベラルアーツ」とは何かご存じでしょうか?

リベラルアーツは日本語で「一般教養」といわれ、これまでは専門教育の下位にあるとされてきたもの。仕事ではあまり役に立たないと思われてきました。

しかし、現在ではその枠を超え、欧米ではひとつの学問として確立されています。日本でも社会人が備えるべき素養として欠かせないものだといわれるようになってきました。今まさに、グローバル社会に対応する人材を育てるために必要不可欠なのが、リベラルアーツなのです。(※出典2、3)

“問題”と呼ばれるものには「答えのあるもの」と「答えのないもの」の2種類があります。答えのあるものはSTEMで対応できますが、答えのない難問を解決するには、クリエイティビティ(創造力)を駆使し、新しい視点で考えて物事を生み出す『A(リベラルアーツ)』が必要なのです。

クリエイティビティを育むためののどか保育園の取り組み

クリエイティビティは、遊びやリアルな体験の中で、遊び方を考えたり工夫したりすることによって育つといわれています。子ども達のクリエイティビティを育むため、のどか保育園が取り組んでいる活動をご紹介します。

​外遊びで五感を刺激

公園に出かけて外遊びをする際、砂場の砂やバケツのような道具などを使い、子ども達が自主的に想像力を働かせて遊びを考え、工夫して遊んでいます。お散歩の際には、春はシロツメクサやたんぽぽを摘んだり、秋はドングリや落ち葉を拾ったりして、季節をリアルに感じられることも。季節を感じることは子どもの五感や好奇心を刺激し、創造力を育みます。

折り紙遊び

正方形の紙からいろいろな形を作り出す折り紙は、クリエイティビティを発揮する遊びの代表格。折って花や動物などを作ったり、ビリビリという音を楽しみながらちぎって貼ってちぎり絵を作ったり……同じ折り紙を使っても、子どもによって出来上がりはさまざまです。

また、折り紙遊びにはクリエイティビティを育む以外にもいろいろな効果が。

平面から立体をつくり出す作業を繰り返すことで、平面と立体のひも付けができるようになり、空間認知能力が育ちます。

折っていく過程では、四角になったり三角になったり、形や大きさの違いを知ることができます。すると、数概念の形成を促すこともできるのです。

さらに、指先は“第2の脳”とも呼ばれており、指先を使うことで脳が刺激され、脳の成長を促すといわれています。

ブロック遊び

ブロック遊びにも折り紙と似た作用があります。クリエイティビティを育むほか、立体的に考えたり、指先を動かしたり、集中力を養ったりといったメリットがあります。

描画

描画とは、分かりやすくいうとお絵かきのこと。

子どもは1、2歳頃からクレヨンを握って線や点、円を描き始めます。それから年齢がすすむごとに鉛筆、ペン、絵の具などを使えるようになり、自由に絵を描いたり、絵本や図鑑で植物や動物を観察して描いたりといったことができるようになっていきます。イメージしたことや感じたことをのびのびと表現することで、想像力やクリエイティビティが育ちます。(※出典4)

また、絵を描く活動の中で、さまざまな色や形の美しさや面白さに触れることで、豊かな感性や感覚が養われます。色の混ざり合いや偶発的な模様を楽しむこともできます。そして同時に、視覚概念や数概念といった概念の形成も促されていくのです。

さらに、大きな紙を床に広げて、クラスのみんなで1枚の絵を描くことも◎。友達と一緒に作品を作り上げることで協調性が育まれ、達成感を味わうこともできます。

製作

のどか保育園では、毎月季節に合わせた製作に取り組んでいます。例えば、5月は端午の節句にちなみ、7月は七夕、秋にはドングリや落ち葉を使った作品作り、12月はクリスマス。子ども達は、年齢に合わせた難易度で、目をキラキラさせながら思い思いの製作を楽しんでいます。

製作では、さまざまな素材を使います。たくさんの種類の素材に触れることで、物には多様な材質や形があることを知り、工夫を凝らして製作することで、クリエイティビティが育ちます。

また、作る際には、はさみやのりなどのいろいろな用具を使います。それらの適した使い方を楽しみながら学ぶことができるのもメリットの一つです。

ごっこ遊び

ごっこ遊びの中でも、おままごとは実はクリエイティブな遊びです。おままごとをする際、子ども達は自由な発想でさまざまな決めごとをしています。舞台は一軒家や病院だったり山や海だったり、お母さん役が2人いたりといった設定から、道具ではぬいぐるみを赤ちゃんに見立てたり、小さなボールを卵に見立てたりと想像力を働かせているのです。この“見立てる“という作業がクリエイティビティを養ってくれます。

子どもが常識ではなかなかありえない設定をしていたり、道具を本来の用途と異なる使い方をしていると、大人はつい気になって口を挟んでしまいそうになりますが、そこはぐっと我慢。型にはまらない自由な世界観を壊さず関わることで、子どもは自由な発想や創造を楽しむことができるのです。

クリエイティビティを養おう

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魂で考える力、クリエイティビティ。幼少期から学んで磨き続けることで、誰でも身につけることができる感性です。子ども達がこれからの社会を強く生き抜いていくためにも、遊びを通してぜひ養ってあげたいものですね。

【出典】

1:中内玲子(2020年)『シリコンバレー式 世界一の子育て』フローラル出版

2:東洋経済ONLINE「リベラルアーツ「学ばない人、学ぶ人」の大差」https://toyokeizai.net/articles/-/618769(参照2024-5-30)

3:教員人材センター「リベラルアーツ教育とは?その意味と注目される理由を簡単に解説」https://kyoin.co.jp/column/liberal-arts-education/(参照2024-5-30)

4:お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター『幼児教育ハンドブック』「5-6 造形活動の指導:創造性を育てるための活動」https://www.ocha.ac.jp/intl/cwed_old/eccd/report/hand_J/2_5-6.pdf(参照2024-5-30)

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